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理不尽と笑いは紙一重?怒涛の漫才師『かまいたち』|芸風と感想


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みなさまお気づきだろうか?

 

かまいたち』の漫才の特徴である、観客が一瞬後ずさりしたくなるほどの、゛理不尽な主張を繰り広げる゛背景には、理不尽さというものが、ロジカルに解体してしまった場合、滑稽さという笑いが生まれるというメッセージが隠されていることを。

 

本能のまま、我がまま、を真剣に生真面目に追い求める、気迫あふれる役の山内さんと、常識的で、のんびりしたたち位置の濱家さんだからこそ、このコンセプトが可能となるのだ。

 

また、コンビとしての個性もさることながら、多くの賞を受賞していることからもわかるように、実力者としての存在感についても触れていかねばならない。

 

こんかいは『かまいたち』のご紹介をさせていただきたい。

 

 

かまいたちのプロフィール

 

結成/2004年

所属事務所/よしもとクリエイティブ・エージェンシー

スタイル/漫才、コント

賞/2007年第28回ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞

2007年笑いの超新星新人賞

2008年第43回上方漫才大賞新人賞

2012年第33回ABCお笑いグランプリ優勝

2012年第42回NHK上方漫才コンテスト優勝

2016年歌ネタ王決定戦2016優勝

2016年キングオブコント2016第3位

2017年キングオブコント2017優勝

2017年M‐1グランプリ2017年第4位

2018年M‐1グランプリ2018年第5位

2018年ロケ芸人最強決定戦外王2018優勝

2019年ロケ芸人最強決定戦外王2019優勝

2019年第54回上方漫才大会奨励賞

 

ボケ担当:山内健司(やまうちけんじ)

誕生日/1981年1月17日生まれ

出身地/島根県

血液型/B型

身長/168Cm

趣味/スニーカー集め

 

ツッコミ担当:濱家隆一(はまいえりゅういち)

誕生日/1983年11月6日生まれ

出身地/大阪府

血液型/B型

身長/188Cm

趣味/料理、野球

 

[同期]

藤崎マーケット

 

かまいたちの考察

 

あらためて、2004年結成という『かまいたち』のプロフィールをみると、へんなはなし、もっと昔から彼らをテレビでみていたかのような錯覚をおぼえる。

 

というのも、過去にたくさんのお笑い芸人たちが、登場した節々の時期に、彼らは漫才をしており、たくさんの個性的な芸人たちのテレビ出演を見かけなくなったのちも、『かまいたち』は頻繁にテレビでみかけていたからだ。

 

それはそのはずで、これまで獲得した賞を振り返っても、納得なはなしだ。

 

はじめて、みたかまいたちのコントは、音楽ネタで、濱家さんが音楽的指導をするなか、山内さんが、どんどん独自の世界へ突入していき、さいごは「なんでそんなことになんねん」という、濱家さんの悲哀を感じるツッコミで終了するというものだ。

 

 

濱家さんのツッコミには、哀愁が感じられる。

 

かまいたち』の漫才、コントは論理の脱線した状況、道徳的に納得のいかないパターンをモチーフとした内容が多く、論理の破綻が引き起こされ、それを、修正するなかに、゛滑稽てき可笑しさ゛がうまれる。

 

そういった方向性を継続させている彼らだからこそ、インパクトが強く、印象に残っているのだとおもう。

 

山内さんが演じるアクのつよいキャラクターの多くは、中学校~社会人くらいまで、日常生活のなかに一人くらい、「ああ、こういうやついるよな」と納得できて、かつ、濱家さんの心情に深く共感できるほど、完成度のたかいつくりこみだ。

 

特徴を簡単にいうと「自己愛がつよくなにがなんでもじぶんの非をみとめないキャラクター」である。

 

気がつくと、濱家さんのみならず、過ちを指摘されてからの山内さんのキャラクターの変貌ぶりを楽しんでいるじぶんがいる。

 

秘密を共有した二人の学生がいて、そのうちの一人、濱家さんの秘密を、かたく口止めされていたにかかわらず、山内さんがクラスの人間にばらす。

 

それが濱家さんにバレて問いつめられたさい、「俺は、誰にもいわんといてよって、そいつにいってからいったんや」と、第三者に責任転換をする。

 

そして、じゃんけんを例えにして、はなしをはぐらかそうとする。

 

「お前は俺に腹たってる、俺はそいつに腹たってる、だからじゃんけんみたいになってるのよ」

「お前は俺に勝つ、俺はそいつに勝つ、そいつはお前に勝つ」

 

濱家さん「なんでおれがそいつに負けんねん!」

 

あやふやになりそうな深刻な現状と、それを柔らかく、修正していく絶妙な感じは、確かに、生きてりゃこういったシチュエーションは存在するだろうと、誰のこころにもある、弱い部分とリンクするため、共感を覚えやすい。

 

山内さん演じるキャラクターがつくりだす虚構の現実を、濱家さんが端的に、ひきはがし、山内さんが、ヒートアップしていき、根本的なはなしの内容をひっくり返すあたりが、確かに、屁理屈だなあと、感じさせもするが、同時にトンチのような面白さがあるのが事実だ。

 

たまに、ヒートアップした山内さんへのツッコミをかける濱家さんが、トンチのような機転で、あげあしをとられるシチュエーションのつくりこみは見事だといえる。

 

二人のあらゆる部分を対極にすることで、オーソドックスなシチュエーションから、独特の笑いが生まれるさまは、実力派『かまいたち』ならではの芸当といえるだろう。

 

 

終わりに

 

二人の出で立ちはどこか愛嬌があり、ほがらかとしている。

 

かまいたち』の漫才、コントは、すごく、個性的でありながら、観客から距離を離さない内容となっており、さまざまな層の人が楽しめるのではないだろうか。

 

大げさな笑いに偏るのではなく、あくまでコンセプトを充実させているところにベテランの妙技を感じさせる。

 

かまいたち』は、個人的に、みていて、なにかを期待してしまう。

 

こんかいはすごく面白い、ホームラン級の笑いが内在されていないかな?とか、そういった部分も魅力の一つだろうなと感じる。

 

これからも、充実した漫才、コントを楽しみにしていたい。

 

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