原石から大御所まで

芸人について書いていきたいとおもいます。

誰もが一度はハマってしまうピン芸人『ヒロシ』|芸風と感想


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お気づきだろうか?

 

おなじみ「ヒロシです」からはじまる『ヒロシ』の芸風は自身を悲観しているようにみせて、だれしもが抱く孤独の代弁を行う部分に、根強い人気があるということを。

 

ヒロシさん自身が継続的立場にないことを意識しているような内容を口にする一方で、勝手な推測にすぎないけれど、隠れたファンが多い気がしてならない。(ボクもその一人なのだけど)

 

その証拠に、゛笑点゛やそのほかのお笑い番組で、たびたび例の哀愁漂う芸を披露する姿が目立つからだ。

 

こんかいは、『ヒロシ』をご紹介したい。

 

 

ヒロシのプロフィール

 

活動期間/1995年~

事務所/ヒロシ・コーポレーション

スタイル/漫談

賞/第1回お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル優勝(2005年)

 

ピン芸人:ヒロシ

誕生日/1972年1月23日生まれ

出身地/福岡県

身長/175Cm

血液型/O型

趣味/キャンプ、釣り

 

[同期]

パンクブーブー

 

ヒロシの考察

 

「ツービート」や「ダウンタウン」に憧れお笑いの道に入った『ヒロシ』、彼の漫談のなかに、お笑いが好きで、人が笑うのが好きなんだろうなあという、気持ちが伝わってくる。

 

漫才師として、順風満帆にてっぺんに向かって駆け抜けるという、スタイルではないものの、ネタの箇所箇所に、人のお笑いポイントを鋭く抑えるという着眼点が、『ヒロシ』には存在する。

 

漫談は、どこか影のあるキャラクターの『ヒロシ』が、悲しい音楽を背景に、マイクを前にうつむき加減で「ヒロシ」です、と主に私生活のダークな側面を語りはじめるというもの。

 

ヒロシです………ずっと通っている美容室でのはなしですが、オレがテレビにでているときよりも、作業が雑になった気がします」

 

という感じだが、いやあ、おもしろい。

 

私生活ネタというのは決して珍しいわけではなく、多くのピン芸人がネタにするのであるが、実際に、その内容に共感を要求するとなると難しい技だ。

 

「キャラクターのしっかりした確立+優れた客観性(じぶんが求められていることの把握など)」が揃ってこそ可能なわけであり、『ヒロシ』の場合は実際に、そうした要素を満たしていたがゆえに、爆発的な人気を得られたと考える。

 

また、『ヒロシ』と時代とを結びつける接点には、彼の歩んだ形跡が、リアルに表現されているゆえの面白さだ。(純粋でストレートなネタだ)

 

ネタの終わりは「ヒロシです…」「ヒロシです…」「……ヒロシです………」とじぶんの名をいいつつも、徐々に、声が小さくなり存在アピールが弱々しくなって、しまいに照明が暗くなる。

 

暗くなった舞台には、笑い以外に、ほのかな哀愁が残るのが、オツだ。

 

ところで、個人的なはなしだけど『ヒロシ』の漫談は、なぜか、゛それを期待して笑ってはいけない゛ような気がするのだ。

 

どちらかといえば、じぶんの身の周りに起こる出来事とダブらせて、ああ、可笑しいなあと感じるほうがしっくりくる。

 

シチュエーションそのもののクォリティーが高いため、「こんな状況はいかがかな?」と、まるで、ボク自身の内面に問いかけられているような気分とでもいおうか…。

 

『ヒロシ』のネタにある、ひととしての尊厳という紙一重のヒヤヒヤ感がたまらない。

 

そして、哀愁という、演出のなかに、ほんものの哀愁が存在する芸風は、彼ならではの魅力といえるだろう。

 

 

終わりに

 

『ヒロシ』の漫談は、気づくとネタのバリエーションが増えており、見るたびに新鮮な笑いがある。

 

彼の笑いが飽きない理由は、時代とともに歩んできた、本人の生きざまがネタのなかにあふれ、観客とのリアルな接点を生むからだ。

 

個人的には、これほど印象的なピン芸人はほかにいない。

 

『ヒロシ』のネタは、ネタの一個一個ではなく、ネタと、ネタを構成する背景など、複合的要素が絡みあって面白いものとなっている。

 

これからも時代をこえた漫談を聞かせてもらいたい。

 

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