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チグハグなやりとりが面白い、女性漫才コンビ『尼神インター』|芸風と感想




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みなさまお気きだろうか?

 

『尼神インター』のネタは、ちょいウザ系女子と、ちょい悪系男子の会話形式というコミカルな展開をみせるのだが、その裏には、女性ならではの繊細なドラマが存在することに。

 

コンビの二人は女性であり、片方が男性役、片方が女性役を演じている。

 

表面的には、関西独自のノリが目立つため、忘れがちになりそうなのが、彼女たちの、女子の複雑な心情を描いたミュージカル的、恋愛ドラマ的なストーリーを演じている部分だ。

 

こんかいは、女性漫才コンビ『尼神インター』をご紹介したい。

 

目次

 

 

おすすめしたい人

 

・実力派女性漫才コンビに興味がある人

・コミカルで柔らかい芸風が好きな人

・後味のよい内容が好きな人

・女性心理を反映したネタに興味がある人

 

 

尼神インターのプロフィール

 

結成/2007年

所属事務所/よしもとクリエイティブ・エージェンシー

スタイル/漫才、コント

 

ボケ担当:狩野誠子(かのうせいこ)

高等学校時代、チュートリアルの漫才をみてお笑いの世界に興味をもつ。これまで、コンビを組み、解散したりを繰り返したのちに、現在の相方、鹿島渚と見事マッチングを果たす。

出身地/兵庫県

誕生日/1988年12月4日

身長/162Cm

血液型/O型

趣味/恋愛ドラマを観る

 

ツッコミ担当:鹿島渚(かしまなぎさ)

高等学校を卒業するころの進路は、お笑いの道へはいること以外、考えられなかったほどの入れこみようで、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに入るために、大工として働いた過去をもつ。

出身地/兵庫県

誕生日/1984年8月6日生まれ

身長/157Cm

血液型/O型

趣味、特技/大工あるある

 

[同期]

ピスタチオ

 

尼神インターの考察

 

結成のきっかけは、鹿島さんのほうから、狩野さんに「一緒に組もうや」と声をかけたことがきっかけで、鹿島さんのちょい悪系のキャラクターゆえに、狩野さんは二つ返事でOKしたという、面白いエピソードがある。

 

そのエピソードを象徴するかのように、漫才ネタもお互いの個性が際立っていてそうとう、異色性があるのだ。

 

桃太郎ネタでは、おばあさん役演じる狩野さんが、かなりはっちゃけた、いまどき女子要素満載のおばあさんとして登場。

 

柴刈りから帰宅したおじいさん役の鹿島さんの帰りが遅いことに着目して、「柴刈りへいってたんだよ」

という鹿島さんに、「ぎゅってしてくれたら信じる」

というノリをみせる。

 

そんな狩野さんに対して、ツッコミ担当の鹿島さんは、いつも、ブレない、ちょい悪男性役を演じ、シュールにツッコミをかける。

 

桃太郎のさいごは、「桃太郎こんなんちゃうねん」と狩野さんをはたいて、しめくくる。

 

ちなみに、尼神インターのネタの特徴であるのだが相方をはたくのは、一番最後であり、非常にインパクトのある締めくくりだ。

 

つねづねうまい女性漫才師が出現してくるのを実感していたなか、尼神インターをはじめてみたときは、そのネタのクォリティーの高さに驚いた。

 

ネタを構成するコミカルと、アクと、ロマンチックが見事に融合しており、ざっくばらんなスタイルにみえて、実はそれらが、いきつく部分は、女性ならではの繊細な心情なのである。

 

ああ、こういう、ちょっといたいたしい男女の会話のやりとりあるよな~っと、唸るとどうじに、その風刺を行った、女性目線からの観察力に驚かされる。

 

正確にいうと女性が男性目線に立って、ちょいウザ女子にフォーカスをあてて、笑いをさそっているという部分がすごいのだ。

 

その凄さの片鱗を形つくっているのが、狩野さんのキャラクターつくりの綿密さと、鹿島さんの言語センスである。

 

鹿島さんは、ネタの進行のために、ついいれがちとなる、ネタを説明することばをあまり使わない。

 

これはすごいことで、彼女は女性でありながら、どこまでもちょい悪男性役に徹して、完成度の高い「キャラことば」のインパクトにより、ネタを展開させることができる。(ちなみに女性役の場合でもブレないちょい悪女子役)

 

それでもって「ちょい悪男性が放つキャラことば」と「完成度の高いちょいウザ系女子」のやりとりが、女性ならではの繊細さとマッチングして、一種のドラマをみている気分にさせられるというミラクルをみせるのだ。

 

そこに、シュールさと、甘酸っぱさが入り交じったチグハグな笑いが生まれる。

 

それが、うえで触れたお笑いにおける異色性だ。

 

彼女たちのネタの構成力や、テンポなどのレベルは高く、両極端なキャラクターの持ち味が加わって、何度もおなじネタにみいってしまう。

 

 

終わりに

 

昭和の時代は、女性芸人は現在よりもかなり少なく、テレビでみる機会も少なかったが、ちかごろは、多くの女性芸人をみかけるようになった。

 

なかには、尼神インターのように、客観的な観察力をもった芸人もおり、純粋におもしろく、ちかごろは、彼女たちの漫才をみるためにテレビをみることもある。

 

客観性は、逆に男性芸人が女性役として女性側目線にたった場合も必須要素で、ポイントを絞る視野ともいえるだろう。

 

彼女たちの、女性側から男性目線にたつとうわざは、高度な漫才をやるために必要な、観察力と才能のたまものといえる。

 

これからも、尼神インターのネタをもっとたくさんみてみたいとおもう。

 

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